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【インドをよく知る】


4) IT


9.インドIT業界の課題                             (2008年7月27日作成)



 今回はインドIT業界の課題について示します。ITのテーマでは今回が最終回です。


 インドIT業界の傾向としては、前回示した高付加価値化とともに、インドで受託するオフショアサービスと、顧客企業の本拠地に乗り込んで提供するオンサイトサービスの統合的なソリューションの進化があります。そのため欧米主要顧客のニーズを汲み取り、最適なソリューションの提供力を強化しようと、米国などでの拠点と、米国人技術者の採用の強化を図っています。

 結果としてインド企業は、顧客に近い場所でアウトソーシングに応える企業になることを目標に置いています。そういうことから、顧客のビジネスに詳しい人材、顧客とのコミュニケーションの緊密化に力を入れており、従来からの「どう作るか。」だけでなく、「何を作るか。」という領域に入っていこうとしています。一方オフショア開発力の強化とコスト削減を図ると言う点では、新興国での拠点増強にも力を入れ始めています。


 こういった世界調達戦略においてインド企業に共通な強みは、プロジェクトを切り分け、切り分けた部分をそれぞれ適切な社員に振り分け、その品質を二重チェックした上で組み立て直し、完成品として顧客に輸出するという業務の形態が進んでいることです。このインドで磨かれた開発方式は、他の国においても適用が可能で、世界中から機動的で、最適な調達体制を築こうとしています。

 
 次にインドのIT業界の課題をまとめます。現在の最大の問題は、人材不足と人件費の高騰です。国際企業情報調査会社、ダン・アンド・ブラッドストリートが2007年3月に発表した報告書によると、インドIT業界は2009年までに約50万人の熟練した人材の不足が見込まれ、そのための人材確保が過熱し、年間15%のペースで賃上げが進んでいます。


 このインドにおける最近の人件費の上昇に加えてオフィスコストも上昇しており、小さな会社の中にはインドから撤退する事例も見られるようになってきました。


 こういった人件費上昇に対してインドIT企業は、生産性の向上に加えて、世界中に設立した拠点を活用し、人材の獲得が比較的容易な世界の他の地域にオフショア開発業務を移すなどの対応をしています。また、比較的人件費の上昇が小さい新人の採用にも力を入れており、その教育に投資することで、早期戦力化を図ることも行っています。


 次にインドにはインフラ整備の遅れという問題があり、それが成長の障害になる可能性があると懸念されています。インドでは、電力が不安定で停電なども頻繁に起こるため、こうしたインフラをカバーするために余計なコストもかかっています。


 次に最近はややドルが戻してはいますが、インド・ルピーの上昇という問題もあります。インド系企業は収益の大半をドルで受け取りますが、インド人スタッフの費用はルピーで支払うことが多いため、ルピーの上昇は直接収益に影響を与えます。2007年初以降、ルピーはドルに対し約12%価値が上昇しました。


 さらに米国ビザの問題もあります。米国ではH-1Bビザ(専門職一時就労ビザ)の発給数が制限されており、顧客企業の米国内の拠点に技術者を送り込まなければならないインド企業にとってこのことはまさに死活問題です。この点に関して2008年の米国大統領選を控え、保護貿易主義の高まりも新たな脅威になっています。


 こういった問題に加えてサブプライムローン問題による米国の景気後退の懸念があり、インド企業は米国への過度の依存はリスクと認識しています。それで欧州、日本などの非英語圏の輸出先の確保・拡大が課題となっています。

 この非英語圏に加えて、インドIT大手は足元のインド国内市場にも目を移し始めています。IBMは2007年、インドだけでもほぼ10億ドルを売り上げる見込みで、インド国内のITサービス市場でシェアトップとなっています。一方インドのアウトソーシング会社は、年率22%で増加しているこの国内が、その収益の中で占める割合はわずか25%に過ぎません。それでインドIT大手もインド市場を見直しはじめており、インフォシスも昨年国内市場専門の部署を拡充するなど、インド国内事業を強化する方針を明らかにしています。


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