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7.インドの食事情2 今回インドの社会・文化の7回目、および食事情の2回目です。 前回では、主にカレーを中心に食事情について示しました。今回はその他の食に関する事情について示すこととします。 前回も示しましたように、インドではベジタリアンでないノンベジの人でも牛は食べません。また国民の14%を占める、イスラム教の人は豚肉は食べません。 それでインドでは普通肉料理で使われる肉は、羊肉のマトンか鶏肉チキンです。チキン料理ではタンドリー・チキンが有名です。タンドリー・チキンはヨーグルトにチキンを漬け、これにさまざまな香辛料をつけて土のかまど(タンドーリ)で焼き上げたものです。 そして三方を海に囲まれたインドでは、魚介類も重要な食材となっています。特にムンバイからケララに至るインド西海岸沿岸は、アラビア海の豊かな海の幸をふんだんに使ったシーフード料理で有名なところです。 またインドは、多くの種類の野菜やフルーツが産出されています。一年中さまざまな旬のフルーツが店先に並び、人々のビタミン源となっています。中でもインドの果物のNo.1はマンゴーで、4-6月が最も旬な時期です。 地域的な特徴としては、北インドはナンや薄く焼き上げたチャパーティーといったパン類を主食としています。これは昔から良質の小麦の産地であったパンジャーブ地方があったことで、広がった食文化です。また北インドは、牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品を多く使うといった特徴があります。香辛料には、クミン、コリアンダー、ガラムマサラなどがよく用いられます。こういった香辛料には中国の漢方薬と同じ物が多く含まれており、アーユルヴェーダは漢方のルーツとされています。日本をはじめ世界のインド料理レストランと呼ばれる飲食店で食べることができるのは主に北インド料理です。 一方南インドでは米飯が主食で、乳製品よりもココナッツミルクを多用します。また香辛料も辛いものが多い。べジタリアンが多いため肉を使わず野菜を中心とした料理が発達していますが、一方で魚を使った料理も多くあります。米については、北が長粒種のインディカ種を使うのに対し、南のものは丸く、外見はジャポニカ種に近いけれど粘りは少なく、パラパラの状態で出されます。 インドで飲み物と言えば、第一にチャイです。チャイはインドでよく飲まれる甘く煮出したミルクティーで、日本でもインド料理店に行けば飲むことができます。チャイはイギリス植民地時代インドで作られた紅茶のうち、良品はイギリスに送られた後インドに残ったダストティーと呼ばれる、細かいほこりのような紅茶の葉を美味しく飲む方法として作られました。特に北部でよく飲まれ、南部に行くほどコーヒーの方が主流になります。 コーヒーも、ミルクを多く入れた甘いコーヒーが一般的です。来日したインド人を喫茶店に連れて行くと、必ずミルクをおかわりをもらっています。カレーには辛いものが多いのですが、飲み物やお菓子などインド人は甘いもの好きで、インドでも糖尿病患者が増えています。ちなみにインドに糖尿病患者は3500万人おり、肥満も増加しており、健康にも敏感なインド人は、一方でカロリーの取りすぎとも戦っています。 ただ最近では西欧化の流れで北インドでもコーヒー党が増えており、「バリスタ」などのコーヒーチェーンもいくつか見られるようになってきています。 アルコールに関しては、経済発展に伴う生活水準の向上や西洋化により、都市部で、ビールを飲む人が増えてきています。一人当たりのビール消費量は、95年の0.5リットルから04年には0.7リットルに増えていますが、国際的にみればまだ低水準です(日本では04年で同じく50リットル強、中国で20リットル強)。それで巨大な人口を考え、将来の成長余力が大きいと言うことで、外国ビールメーカーもインドへの攻勢を強めています。インドのビール業界では、「キングフィッシャー・ビール」を展開するユナイテッド・ブリュワーズが、国内ビール販売シェア40%で首位となっています。今年3月には、日本のキリンが、インドの有力メーカーと提携してインド市場に参入する検討を進めていることが明らかになりました。 |
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