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【インドをよく知る】


5) 宗教


4.仏教の勃興


 今回はバラモン教が深化していった時代に社会に登場してきた自由主義思想家の中で、最も大きな影響を与えたゴータマ・ブッダと仏教の初期の思想について概観します。


 自由思想家達が活躍していた紀元前600年頃は、コーサラやマガダなどの国が成立し、王族の権威が伸張し、バラモンの威信は低下していた時期でした。

 この自由な風土であった紀元前5世紀頃、仏教を開いたゴータマ・ブッダがヒマラヤ山麓の現ネパール領であるカピラヴァストゥでシャキャ族の王子として生まれました。他の自由思想家たちと同様仏教も、当時それまでのヴェーダ文化の辺境とも言うべきインド東部の地方で生まれました。この現在のビハール州あたりは正統のバラモンから見れば劣等な地方であり、ヴェーダの祭式が良く施行されていない地方でした。ビハール州は現在のインドでは、最も貧しい州の一つとなっていますが、当時はウパニシャッド哲学に貢献した思想家が大勢現れたところで、文化が非常に発達していた地方でした。


 ブッダはそこで人間の存在の悲劇に不安を抱き、悟りを求めて出家しました。このブッダの出家は、物質的快楽の放棄の最も典型的なシンボルとして、世代を超えてインド人の心に残っています。

 そしてブッダが到達した「悟り」とは、すべてのものは何らかの条件や原因によって生じるものであり、それを可能にしている条件・原因が尽きた時に滅びるというものです。そして神やヴェーダのような無条件に成立しているもの、永遠に存続するものは存在しないということでもあります。

 したがってあらゆるものはうつり変っていくものであり、決してとどまる事が無い、という諸行無常の考え方として整理されていきました。平家物語にも登場した日本人のこの無常観は、ヒンドゥーの輪廻転生の思想と通じるものであり、深いところでインド人と日本人の考え方に共通性が見て取れます。


 仏教の基本的な考え方は我々の迷いの生存、苦しみの生存原因を突き止め、その根本の条件を滅することによって、我々の迷いの生存も滅し得ると考えることです。そしてその苦しみから解き放たれるために、普段の道徳的な実践が重要だとしています。
 

 このような新しい宗教運動はヴェーダの宗教に対する反抗でしたが、仏教はバラモンの存在は認めていました。しかし人間は生まれや職業によってではなく、その「行い」によってこそ評価されなければならないと述べて、バラモンを頂点とした四つの階級を指すヴァルナも出身階級も問題にはしませんでした。


 仏教は、ゴータマ・ブッダによって興されたあと、紀元前300年のマウリヤ朝でアショカ王の時代の仏教保護政策で栄え、約1000年にわたって隆盛を保ったインドを代表する宗教となりました。その後密教化して、インドからほぼ姿を消してしまいました。しかしインドでは現在、日本人僧佐々井秀嶺らの活動により、被抑圧カーストの人々を中心に、仏教徒への改宗者が増えてきています。2001年時点で、インドの仏教とは約800万人で、全人口の0.8%となっています。


 仏教はバラモン教をベースにできたものであり、ヒンドゥー教にも多大な影響を及ぼしました。仏教の教義の大部分は、ヒンドゥー教の教えとしても受容され、ヒンドゥー教の目覚しい同化力をもって、仏教をその一部に取り込んでいます。たとえばヒンドゥー教でブッダは、悟りをすべての生き物の間に広めているヴィシュヌ神の化身の一つとされています。

 また日本の神々の多くは、仏教を通じて日本に入ってきたヒンドゥーの神であり、例えば四国の金毘羅(こんぴら)の原型は、インダス川のわにに対する信仰にまでさかのぼるし、毘沙門天(びしゃもんてん)はインダス起源の土俗神クペーラ、弁才天はヒンドゥーのサラスバティーという女神、大黒天はシヴァ神と対応します。すなわちバラモン教をベースにした、ヒンドゥー教や仏教の無常観や輪廻転生の思想が、日本にも渡って定着したのです。




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